毎日の生活の中で、私たちは無数の「癖」を繰り返しています。
その一つひとつはあまりに小さく、普段は意識することもありません。けれど、その“些細な癖”こそが、体の不調や疲れやすさ、ひいては将来の痛みや不自由さにまでつながっているとしたら、どう感じるでしょうか。
たとえば「立ち上がり方」。

椅子から立つとき、足を遠くに置いたまま腰を丸めて立ち上がる癖がある方は少なくありません。一見なんの問題もなさそうな動きですが、この「立ち上がり」は、股関節ではなく背骨(特に腰)を過度に動かしています。結果、腰に過度な負担がかかりやすくなり、腰痛やヘルニアの原因になってしまうのです。
逆に、足を体に近づけて、股関節をしっかり折りたたみながら立ち上がると、体幹が安定し、腰ではなく股関節で、「重心移動」で、スムーズに立てるようになります。これは“筋力”の話ではありません。“使い方”の問題です。
こうした癖の修正に特別な運動は必要ありません。ほんの少し意識したり、動作練習をすることで、今から変えられます。
結局のところ、体を作るのは、小さな癖の積み重ねです。ケアをしていないから悪くなるのではなく、ケアの必要性を毎日ちょっとずつ貯めていることに問題があります。
体調が良くないと、何をしても微妙ですよね。将来を悲観しますよね。
体は、私たちの暮らしや思考、未来の選択にまで影響を与えます。
つまり、癖を見直すことは、人生を見直すことでもあるのです。さいきんはAIの進化も目覚ましく、いよいよ健康にしか価値がねえなと思うところです。
今日の立ち上がり方を変えることが、10年後の腰痛やヘルニアを防ぐ一歩になるかもしれません。小さな癖が大きな違いを生み出します。