「猫背」は
・顔が肩より前に出て顎が上がる
・顔を天井と平行に向けられない
・万歳したとき二の腕が耳の後ろまで動かない
などの特徴があります。
・腰痛/肩こり(肩の痛み)
・緊張性頭痛/めまい/眼精疲労
・寝付けない(寝起きが辛い)
・食いしばり・顎関節症
・呼吸が浅くなる
・消化器の不調・便秘
・あごがたるむ/背肉が増える
⇧猫背がカラダに及ぼす影響
このような症状にお悩みの方は猫背が原因かもしれません。
「猫背」の人が硬くなっている筋肉
さて
この「猫背」姿勢になっている方はほぼ確実に上肢屈筋群(腕を曲げる筋肉)や肩関節内旋筋群(腕を内にねじる筋肉)が硬くなっています。
ここでは、その中からひとつ
胸~指の筋肉の伸ばし方をご紹介します。
猫背を固定化する筋肉が硬いままでは猫背姿勢は正せません。
まずはストレッチやほぐしで過剰な緊張を抑制する事から始めましょう。
猫背は「胸椎(背骨の胸の部分)」が過度に丸まった状態なので猫背修正に欠かせない動きとしては「胸椎」を起こす事が挙げられます。
胸椎を起こす運動で起こりがちな2つのエラー
胸を起こそうとする際
①腰を過度に反ってしまう
②肩甲骨を過度に寄せてしまう
この2つのエラー(間違った動作)は非常によく見られます。
①は「肋骨」を目安にすると分かりやすいです。おなかをなぞってみましょう。肋骨の出っ張り※は感じられますか?感じられる場合はそもそも腰が反っている可能性が高いのですが、胸を起こす動きをする際も「肋骨は出っ張らないように」意識すると選択的に胸椎を動かすことができます。上掲の動作では意図的に腰を丸めて胸の反りを出しやすくしています。
※仰向けで寝ているときに肋骨が出っ張っているのは普通です。座っている時や立っている時)に感じられる場合は“リブフレア”という状態かもしれず、姿勢の崩れや脱力のしづらさ(呼吸の浅さ)などと関連しているかもしれません。
②に関して、肩甲骨を「寄せる」とお腹の力が抜けます。“お腹の抜け”は姿勢崩れの一因になり得ます。
肩甲骨は寄せるより「胸郭に押し付けて安定させる」事で胸椎が伸びやすくなるのですが、その作用を持つのは「前鋸筋」や前鋸筋と連結する「腹斜筋」です。
前鋸筋が効くからお腹も効いて、腰も肩甲骨も安定し、胸が伸ばせるようになります。
余談:関節の役割について
話が若干それますが、関節には上の画像のような役割があります。
安定関節が不安定になると可動関節が安定に寄与し全身的に「余計な筋緊張」が産まれ易くなります。常態化した過緊張状態こそ痛みや凝りや怪我のし易さや疲れ易さの根本原因です。腰痛や肩コリだけでなく不眠など自律神経の失調症状なども含め「カラダの不調」には往々にして筋骨格のバランスの崩れが絡みます。
姿勢修正に運動はマスト
猫背に限らずですが姿勢を変えるには能動的に動く事、すなわち「運動」が必要です。動くからカラダの感覚は変わり姿勢も変わります。ストレッチはあくまでその準備です。
前鋸筋のほかにも顎を首につけるつもりで引くと収縮する首の前側の筋肉“頸長筋”や
腕の内ねじれを外ねじれにする筋肉(肩関節を安定させる筋肉)なども必要に応じて刺激したりしながら姿勢修正を図ります。