うつむきがちで座りすぎな現代において“とても硬くなりやすい”筋肉

「広背筋」
背中から腕にかけて付着する広背筋は、うつむく姿勢や腕を内にねじる動作で硬くなります。

これを見ているあなたの広背筋も今まさに硬くなっているかもしれません。
なぜこの話をするかというと、硬い広背筋は全身のあらゆる不調のもとになり得るからです。
実際、当院へお越しの腰痛や坐骨神経痛に悩まされている方は100%といっていいほど広背筋が硬くなっています。
広背筋の緊張を緩める事で緩和する腰痛や坐骨神経痛も多いです。
痛みやしびれの改善を目的としたアプローチの中でかならず着目する部分のひとつであり、あなたが腰痛や肩こりや坐骨神経痛を抱えているのであれば、十中八九、その痛みに関係しているであろう背中の筋肉「広背筋」
今回はそんな硬い広背筋の悪影響を紹介します。
硬い広背筋の悪影響①コリや痛み
広背筋が硬くなると“巻き肩”(肩の内ねじれ)がカラダに定着します。

巻き肩は横から見たとき「親指」がみえない
するとほかの肩を内にねじる筋肉である「むね」や「わき」の筋肉も硬くなると同時に、肩甲骨の位置が高くなり(肩がすくみ)、肩甲骨と首をつなぐ筋肉も硬くなります。

肩関節内旋筋=広背筋、大/小胸筋、肩甲下筋、大円筋

肩関節内旋筋群(広背筋や小胸筋)の短縮に伴い、肩甲骨が前傾/挙上し頭部に接近して(肩がすくむ)➡︎僧帽筋上部線維や肩甲挙筋など頭部〜肩甲骨間の筋肉も短縮(首こり肩こり)
肩や首の筋肉の緊張状態が続けば、血流にも影響し、肩コリ・首コリに繋がり得ます。
また広背筋の硬化によって肩甲骨(と胸の骨)の動きが制限され、その“しわ寄せ”として腕・首・腰が過剰に動くようになると
・腕の動き過ぎ➡︎肩の痛み、肩関節周囲炎
・首の動きすぎ➡︎首の痛み、頚椎ヘルニア
・腰の動き過ぎ➡︎腰の痛み、腰椎ヘルニア
などを引き起こす場合があります。
広背筋の硬さは肩への影響だけでなく腰痛や腰椎/頚椎ヘルニアの誘因でもあるわけです。
広背筋の硬さの簡単チェック

広背筋が硬いと腕は上がらない
万歳が耳の後ろまでできるかどうかをチェックしましょう。
万歳をする時にみられる
・二の腕が耳の後ろまで到達しない
・肩や腰が痛む
・腰を過度に反る
・肋骨が出っ張る
などの兆候は広背筋の硬さを示唆しています。
硬い広背筋の悪影響②自律神経症状
広背筋が硬いと肋骨が出っ張りやすくなります。

リブフレア
肋骨の出っ張り(リブフレア)が常態化するデメリットは様々考えられますが、ここで着目するのは「呼吸筋(横隔膜)が働きにくくなる」ことです。

広背筋の硬さは、肩がやたらと上下する「浅い胸式呼吸」につながり、胸式呼吸の癖は自律神経症状に繋がる場合があります。
自律神経の失調症状
・カラダの緊張感が常に抜けない、リラックスできない
・不眠、寝ても疲れが取れない
・頭痛、なんとなく頭がぼーっとする など
硬い広背筋の悪影響③背骨の変形
広背筋が硬化すると「反り腰」になりやすくなります。

広背筋が硬くなると生じる運動連鎖。背中側から前に押し出されるような力がかかり腰が反る(肋骨が出っ張る)
反り腰が定着すると、立ち上がる瞬間や高い所に手を伸ばす時などふとした瞬間に“詰まる”ような腰痛が起こったり、長期化すると「腰椎分離症」や「脊柱管狭窄症」など背骨の変形が起こる可能性が高まります。
お勧め広背筋ケア
広背筋が硬くなると‥
①肩こり・腰痛
②自律神経症状
③背骨の変形
代表的な症状をピックアップしていますが、要するに全身に悪影響を及ぼす元になり得るわけです。
世代問わずPCやスマホに触れ「丸まりやすい」時代だからこそ日課として「広背筋ケア」が必要かもしれません。
そこで日々のルーティンとしておすすめな「広背筋」ケアがあるので紹介します。

広背筋ストレッチ

「背中で息を吸う」癖をつけて、そもそも広背筋が硬くならないカラダに
どちらの方法も手軽に広背筋の柔軟性を高められます。
みんなスマホに夢中で丸まりやすい時代だからこそ「広背筋ケア」を取り入れていきましょう。
硬い背中を変えたい方はこちら⬇︎