【真実】ブロック注射が効かない理由

腰痛

ブロック注射が効かなくて‥という相談をたびたび受けます。

先生が勧めた、あるいは、痛みが消えると期待した注射が「効かない」のはなぜか?

今回はその理由について解説します。

※ここでいう「効かない」とは、楽なのは数時間だけ/翌日には元通りといった状況をさします。

こんな方向けの記事です⬇︎

・ブロック注射が「効かない」方
・ブロック注射を打つべきか迷っている方
・ブロック注射の正しい使い方を知りたい方

ブロック注射はなぜ「効かない」?

ブロック注射が効かない理由

それは、端的に「注射では除けない原因がある」からです。

そもそも、ブロック注射は神経(または筋肉)を狙って打ちます。作用機序は

脳で感じる痛みを“感じなく”しつつ、痛みが続いた反応(=神経過敏)を落ち着かせる。

(もしくは筋肉を弛緩させ血行改善を図る)

ざっくり言えばそんな仕組みです。

痛みの悪循環を遮断すれば痛みは消える

中にはそういう事もあるかもしれませんが、どちらにせよ注射だけで「ぶり返す可能性」は消えないと思います。

なぜなら注射で習慣は変わらないから。

悪循環の起点になる「特定の筋肉の過緊張」や「血行不良」は理由があって生じます。

例えば姿勢や動作や呼吸の癖です。

何気ないカラダの使い方から肩や腰や太モモやふくらはぎの緊張は生まれ、過度に緊張した筋肉かわ関節の動きを制限したり血管や神経を圧迫したり牽引したりします。

この因果の流れの一つの結果として痛みやしびれは生じます。

注射を打っても習慣が変わらなければ、痛みやしびれはぶり返す

これはある意味、当然です。

ブロック注射の“正しい”使い方

かならず○○とセットで使う

ブロック注射はいわゆる「対症療法」です。

基本的な考え方として、対症療法は根本治療とセットになった時はじめて意味を持ちます。

根本治療とは、そのひとに合った適切な順序で以下を行う治療です。

①原因を特定する(介入前あるいは初期に)
➡︎被術者自身が再現可能な“痛みが消える条件”を術者が見つけ、関連する習慣を推察し、被術者に伝え、理解を得る
②介入(痛みが消える条件を癖付ける)
➡︎エクササイズや認知行動療法(生じていると思われる筋肉や関節や神経への負荷を減らす方向へ手技や運動で誘導/痛みへの認知を変える)

ブロック注射を勧められる症状は、大抵「慢性化(複雑化)」しています。

それはまるでこんがらがった紐を解くような作業です。

向き合うにも根気や試行錯誤が必要な場合は多く、強烈な痛みを伴う中でそれを行うのは容易ではありません。

そんな時にブロック注射は活きます。一時的にでも痛みを遮断し、身体的にも精神的にも「動ける余裕」をつくり、根本治療を行う。

かならず根本治療とセットで使う。これが正しい「ブロック注射の使い方」です。

「種類」「狙う箇所」「打つ回数」について

とはいえ「その場しのぎ」が必要な場合もあると思います。

そこで気になるであろう注射の「種類」「狙う箇所」「打つ回数」ですが、これはその都度試してみないことにはわかりません

効果の持続期間は、患者さん一人ひとりの状況によっても違います。数時間の場合もあれば、数ヶ月以上続く場合もあります。

https://www.kaoru-pc.jp/column/2019/09/09/2247/
東京ブロック注射クリニックより引用

ブロック注射は、繰り返し続けることで症状の改善効果が期待出来る治療法です。

https://www.aj-clinic.com/column/937/
中村AJペインクリニックHPより引用

一般的には↑のようなことが言われ、医師からも説明を受けると思いますが、人間自体、変数の塊ですし、“人による”としかいえません。

注射に限らず西洋医学的アプローチは、わかりやすい即時フィードバックが得られやすいかもしれませんが

今の状態は昨日今日の話ではなく、よくもわるくも、これまであなたが生きてきた歴史の結果です。

それを一瞬で変えようという発想は捨てましょう。

カラダにそんなことは起こらないし起こしてはいけないのです。

中央区30代男性(会社員/症状:背中・左肩痛、手の痺れ、診断名:頚椎椎間板ヘルニア)のお客様の声。ブロック注射“だけ”で改善困難なのは腰痛以外も同様。(写真は初回施術時)

ブロック注射だけしていると・・・

その場しのぎでやり過ごせる時間には限りがあります。その猶予期間をいたずらに伸ばすのはお勧めしません。

庇う癖がつくからです。

発痛に至らしめた何らかの習慣は物理的な因子も心理的な因子も混在している事でしょう。

人は痛みを感じると無意識下で痛くない側の脚に依存して荷重したり動きを制限したりして「庇う」動作パターンや姿勢戦略を身に付けます。

その期間が続くと、もともと痛くなかった場所が痛くなったり、コリが痛みに(痛みがしびれに)なったり、負担が集中した背骨や関節が変形したり、本来なら“不要な”手術を勧められたり、馬尾障害など本当の手術適応例へと変化してしまったりして、徐々に打ち手が減っていきます。

痛みが引いているときにこそ、カラダのつかいかたを変える、“痛みの根っこ”を根絶やしにするチャンスなのです。

“その場しのぎの治療”に悩まされていた60代女性の声。(主観的にどうであるかは別にして)坐骨神経痛も「ある日突然」ではない

まとめ

・ブロック注射の役割=神経を遮断し、一時的に痛みを“感じなく”する
・効かない理由=姿勢・動作・呼吸の癖(カラダのつかいかた)は変わらないから
・ブロック注射だけ=原因はそのまま。時間とともに悪化する場合も。
・正しい使い方と解決策=根本治療と組み合わせて使う 

これらを踏まえて対処や治療法を選択されることを勧めます。

 

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