下からも上からも攻める!太モモの張り・腰痛・坐骨神経痛・反り腰改善アプローチシークエンス

腰痛

日常生活やスポーツによる疲労で生じる太ももの張り腰痛坐骨神経痛反り腰

実は、これらの不調は「足元のアーチや足指の使い方」が一因となって引き起こされる場合があります。

中でもとりわけ重要な要素が「小趾外転筋」や「外側縦アーチ」です。これらの機能が低下すると、結果的に内側縦アーチ(土踏まず)も崩れ、足部全体のバランスが乱れ、膝や股関節、骨盤周囲、さらには腰へと負担が及びます。

しかし、足部機能は「体幹」や「股関節」といったより大きな質量を有する組織の影響も大きく受けますし、足とこれらは相互関係にあります。

いわば「全身のバランスの結果」

それが「足」です。

そのため、身体機能や疼痛を効果的に改善するには足も含めた全身に対する「優先順位をつけた」アプローチが欠かせないのです。

そこで今回は、さまざまな腰痛・坐骨神経痛を対象者とともに改善してきた経験をもとに、疼痛改善アプローチの順序についてお伝えします。

フェーズ1:とにかく体幹

ではまずはじめに「何から取り組めばよいか?」という話をします。

もちろん前提(今のその人の状態)により異なりますが、セオリーは体幹と股関節周りの安定性を整えることです。

最大の理由はこのフェーズで腰痛や坐骨神経痛の頻度や強度がおおむね半減するからです(ばらつきはありますが)。

腰痛や坐骨神経痛、太ももの張りや反り腰に悩む方は、ほとんどの場合、腹筋や背筋、腸腰筋や大臀筋などのバランスが崩れています。

なので最初は特に股関節周囲筋群の柔軟性をしっかり確保しつつ、全身的に脱力できるようにしつつ、しなやかな骨盤の前後傾やしなやかな背骨の運動を取り入れたり、下部肋骨の出っ張りを抑えられるようにしたり背骨の真上に頭部を乗せる練習をしたり、呼吸で腹圧をかけられるように腹式呼吸を体得したりしましょう。これらで疼痛の緩和を図ります。

体幹機能の改善から取り組むのは中枢(体幹)が安定しないと末端(四肢)の機能も活きない、という意味もありますが、それ以上に、まずは今ある痛みやしびれを和らげ、継続的な取り組みを可能とする“余裕を産む”意味が大きいです。痛みをかばう動作パターンを強化したくない、という意味もありますが。

この段階で体幹(骨盤~腰椎~胸郭の位置関係やこれらを覆う筋群のバランス)が安定すれば、腰や下肢への負担が大きく軽減されます。これが身体機能としてもメンタル的にもその後の取り組みの強固な土台になります。

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フェーズ2:立って徐々に統合

次に、下肢(膝・下腿)のアライメントと筋バランスを整えるステップへ移行します。各筋群の機能を過不足なく“ならし”つつ(スネのねじれなどを修正しつつ)、ここからは立ちます。立って単純動作(その場での屈伸やヒンジなど)から徐々に応用動作(ランジやステップ)を取り入れていきましょう。

ここで是正するのはいわゆる“ニーイン”などです。足関節や膝関節を“真っ直ぐ”動かす感覚を再学習したり、足部~膝~股関節を連動させて重心移動と最小限の筋作用でラクに立ち座りできるようにしたりします。個別機能をだんだん統合していくイメージです。

「足」はどこに入るのか?

最後に、足部(小趾外転筋や外側縦アーチ)への直接的なアプローチについて言及します。

結論、足部は初期から取り組みましょう。理由は「時間がかかる」からです。

痛みやしびれへの影響度合いとして、足部は体幹よりは少ない(傾向にある)のですが、いかんせん、今まで動かなかったん足の指は全然動かない。はじめは単純なグーチョキパーも難しい場合が殆どです。

なので足部機能を高めるエクササイズは初期から行う事を勧めます。慣れれば「ながら」でできますし、そうしておくと統合がスムーズです。

おすすめは「グーチョキパー」

グー=5本の骨の頭が見えるまで握る
チョキ=親指一本だけ下げる
パー=親指と小指を横へ開く

これらは完全にではないですが足のアーチを構成する筋肉を刺激しやすくする下地になります。

単純で、足の感覚を高めやすく、より応用的なエクササイズのとっかかりにもなるので、手で足の骨の間をほぐしたりしながら、グーチョキパーを練習しましょう。

それからより応用的なショートフットや荷重エクササイズに移行して自身の筋力でアーチを保持することを目指し、最終的に歩行や立位、ランニングフォームなどの姿勢や動作全体の再教育もしていきます。

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腰回りも足元も、上からも下からも、同時に攻めましょう。骨盤の真上に上半身が乗り、足と股関節で体重を支えることができれば、すねも太ももも過度に張りません。腰や坐骨神経領域への負担にもなりません。

総論的で抽象的な話になりましたが、やみくもに取り組むのではなく、優先順位を着けながらアプローチすることが大事ということが伝われば幸いです。

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